ビムラー 機能的矯正装置
床矯正との違い
夜寝るときに上下にそれぞれ中心にネジが付いたプレートを装着する。一見すると機能矯正と同じに見えますが大きな違いがあります。
第一に、床矯正は一言で言えば(つっかえ棒)と同じで歯列の幅を強制的に広げる装置です、そのため風邪などで2日も使用しない日があると、もうピッタリ口に入らなくなりネジを戻さなくてはなりません。
ビムラー矯正も拡大効果は多分にありますが筋機能による拡大ですので無理がなく、後戻りが非常に少ないです。そのため仮にひと月不使用期間があっても何の問題が無く再開可能です。
第二として2次元と3次元の違いです。
わかりやすく説明すると床矯正の場合上下顎それぞれの歯列を矯正する事は可能ですがあくまでも平面上での歯並びをよくする装置で上下間の位置関係(主として前後関係)には無力であるという事実です。
ビムラーをはじめ機能矯正では、装置を装着する時設定した下あごの位置から、寝ている時のリラックスした顎の位置へ戻ろうとする静的な筋力を使い矯正します。そのため上下顎の位置関係アンバランスによる受け口、出っ歯の矯正が可能となります。
私はビムラー矯正に出会う前、相当数の床矯正を行ってきました。多くの場合は良好な結果を得られていますが、動かした後長期間の保定が必要となり、指示通りに使って頂けなかった場合はかなりの後戻りを生じます。
また毎晩浮かないよう厳密に装着する必要があり、来院回数などで本人、親御さんに掛かるストレスは計り知れないものがありました。その点ビムラー装置は違和感も非常に少なく(朝食の席でご飯を口に入れようとして気が付いたという話もあります)口の中でルーズフィット、入っていればOK、来院頻度も1~2ヶ月に1度で済みます。
そして何より声を大きくしてお知らせしたいのは矯正後の歯並びを見ても矯正の痕跡がない事です。床矯正に限りませんが従来の矯正は不正咬合の噛み合わせを壊し、再構築するという考えです。それゆえ長期の保定が必要となりますし、仮に装置が付いてなくても歯科医師は歯並びを見て人為的な不自然(不正咬合とは異なる)さを感じます。
ビムラー矯正は咬合を壊す事なく正常へ誘導するため全く自然体そのものに感じ、後戻りが非常に少ないのです。
左の写真のケースはビムラー適応する前処置で複数の装置を併用して矯正治療を行いました。
理想的な歯並びなったという訳ではありませんが、ブラケットを使用すること無く此処まで治せました。(現在もビムラー+SLAを継続中です)
非抜歯症例です。